ヒトと同じく、動物達も病気になってから治療するのではなく、病気を未然に予防してあげることが重要です。今日では、ワクチンやお薬によって様々な病気や感染症から動物の命を守ることができるようになってきました。しかし、残念ながら、予防を行っていないワンちゃんでは未だにフィラリアやノミ・ダニの感染が認められます。大切な家族の一員である動物たちの健康を守るためにも是非、しっかりと予防してあげてください。 |
予防医療内容
混合ワクチン
予防接種には、“接種した動物を守る”ということと“地域社会を守る”ということの2つの役割があります。予防接種を受けるとその病気に対する免疫(抵抗力)がつくられ、その動物の感染症の発症あるいは重症化を予防することができます。また、多くの動物が予防接種を受けることで免疫を獲得していると、地域社会の中に感染動物が出ても流行を阻止することができる「集団免疫効果」が発揮されます。さらに、ワクチンを接種することができない動物を守ることにもつながります。大切な家族の一員である動物達の健康と地域社会を守るためにも、是非接種してあげてください。
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抗体価測定
これまでに、ワクチン接種後有害反応が認められたことがある場合や、あまりワクチン接種をしたくない場合には事前にご相談ください。
採血し抗体価の測定を行って、抗体価が低下している場合のみ接種することも可能です。
抗体価測定(パルボウイルス、ジステンパーウイルス、アデノウイルスIgG) | ¥9,800 |
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狂犬病ワクチン
狂犬病予防ワクチンは狂犬病予防法に基づき、生後91日以上のワンちゃんに年1回の接種が義務づけられています。当院では、済証や鑑札の交付手続きなどを代行して行い、ご自宅に郵送させていただきます(現在、手続きの関係上、必要書類のご郵送までに1ヶ月ほどお時間をいただいております。ペットホテルやドッグランのご利用で急ぎで書類が必要の場合には、仮の証明書をお出しすることができますのでお申し付けください)
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混合ワクチンと狂犬病ワクチンの間隔
フィラリア予防
フィラリア症の予防期間は地域によってことなります。神戸市では、5月末~12月末までの8ヶ月間の予防が必要です。予防薬を投与する前には、すでにフィラリア症の感染がないか血液検査を行う必要があります。もし、フィラリアに感染していることを知らずに予防薬を飲ませてしまった場合、血液中のフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)が一気に死滅してしまい、その死骸が血管内に詰まって血栓症を引き起こしたら、アナフィラキシー反応を引き起こしたりして重篤な副作用が出現する場合があります。毎月確実に予防薬を投与していただいているつもりでも、知らないうちに吐き出していたり、消化管の状態が悪く、薬が十分に吸収されていなかった月があるかもしれません。 |
ノミ・ダニ予防
ダニは河川敷や公園、あぜ道や山の中など草むらの中に潜んでおり、ワンちゃんやネコちゃんが草むらの中に入ると、飛び移り、吸血、脱皮を繰り返し成長していきます。ヒトでは近年、マダニに吸血されたことによって SFTS(重症熱性血小板減少症候群)が発症し、最悪の場合には死にいたることが報告されています。ワンちゃんの場合、“犬バベシア症”が大きな問題になります。マダニがワンちゃんを吸血する際に、マダニの体内からバベシア原虫がワンちゃんの血液中に感染し、赤血球を破壊して貧血などを引き起こします。他にも症状として、元気や食欲の低下、発熱、血色素尿(茶色~褐色尿)、黄疸などが認められ、最悪の場合には死んでしまうこともあります。マダニは初夏から秋にかけて盛んに活動しますが、最近では3月位から見かけます。ノミも同様に、ワンちゃん・ネコちゃんに寄生して吸血を行います。ノミに吸血される際に、ノミの唾液の成分であるハプテンが体内に入ることによってアレルギー反応が起こり強い痒みが起こる場合があります(ノミアレルギー性皮膚炎)。また、条虫などの感染源にもなります。大切な家族の一員であるワンちゃん・ネコちゃんの命を守るためにも、ノミ・マダニの予防はしっかりと行ってください。 |
去勢手術
去勢手術は、全身麻酔下において、左右の精巣を摘出する手術です。生後6か月以降で身体検査、血液検査において大きな異常が認められなければ手術は可能です(高齢の場合には、別に追加の血液検査や胸部レントゲン検査、心臓の超音波検査等が必要になります)。腹腔内の停留精巣の場合には、開腹手術が必要になります。 |
手術のメリット
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手術のデメリット
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避妊手術
避妊手術は、全身麻酔下において、左右の卵巣と子宮を摘出する手術です。生後6か月以降で発情中でなく、身体検査、血液検査において大きな異常が認められなければ手術は可能です(高齢の場合には、別に追加の血液検査や胸部レントゲン検査や心臓の超音波検査などが必要になります) |
手術のメリット
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手術のデメリット
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歯石除去
最近の研究では、2歳以上のワンちゃんの実に80%に何らかの程度の歯周病が発生していると報告されています。歯周病の予防には、毎日の歯磨きが一番重要になってきます。しかし、一度付着してしまった歯石を除去することは容易ではありません。そのため、全身麻酔を行って歯石の除去、歯周ポケットの洗浄・消毒、ポリッシングを行います。 |