当院では、ワンちゃんネコちゃんを対象に様々な病気の診断および治療を行っています。 |
治療例
内分泌疾患の治療
| 抗癌剤治療
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免疫抑制治療
| 輸血療法重度の貧血や手術中に出血が予想される例などでは、他のワンちゃんやネコちゃんから供血をいただき、クロスマッチ検査を行った後、血液が適合すれば輸血療法を行っています。 |
腹膜透析
腹膜透析は、腹腔内に透析液を注入し、濃度勾配を利用して血液(体液)中の老廃物を透析液に移行させることにより、血液を浄化する治療法です。急性腎不全や薬物中毒、電解質異常のときに適応となります。
*慢性腎不全の患者さんでは適応となりません。
長所
| 短所
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ケース:11歳10ヶ月、去勢済みの男の子、ネコちゃん
昨夜から排尿がなく、嘔吐があるとのことで来院されました。一般身体検査では、膀胱内に貯尿はなく、血液検査では腎臓の数値が著しく上昇していました。急性腎不全を疑い、入院治療となりました。まず、尿道内カテーテルを挿入し輸液療法と利尿剤投与を行いましたが、排尿は見られず、腎臓の数値も悪化していきました。おしっこが出ないので、体はむくみ、尿毒症による口内炎のため、よだれが出ている状態でした。ご家族とご相談の上、麻酔のリスクはありますが、腹腔内チューブを設置し、腹膜透析を行うことにしました。また、麻酔中に食道チューブの設置も行いました。腹膜透析は腹腔内チューブを介してお腹の中に透析液を注入し、2時間毎に回収しては新しい透析液を注入します。開始2日目に少量の排尿が見られるようになり、その後徐々に尿の生産が増えていき、腎臓の数値も低下していきました。透析開始6日目には腎臓の数値も低下し、排尿も見られるようになったため、腹腔チューブを抜去しました。その後も輸液療法を続けたところ、大量の排尿が見られたため、入院16日目に退院することが出来ました。退院後、しばらくは口内炎等で自力ではご飯が食べれないため、腎臓病用の流動食を食道チューブから入れていただいていましたが、退院3週間後には、口から元通り食べられるようになったため、食道チューブも抜去しました。
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項目(正常値) | 来院時 | 透析前 | 透析2日目 | 透析4日目 | 透析6日目 | 退院時 |
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BUN (17.6-32.8) | >140.0 | >140.0 | >140.0 | 88.2 | 37.0 | 24.0 |
CRE (0.8-1.6) | 16.2 | 23.2 | 12.6 | 4.0 | 1.8 | 1.3 |
P (2.6-6.0) | 9.0 | >15.0 | 11.0 | 5.6 | 4.1 | 3.4 |
Na (147-156) | 148 | 146 | 152 | 150 | 150 | 150 |
K (3.4-4.6) | 7.9 | 6.0 | 3.0 | 2.7 | 2.5 | 3.2 |
Cl (107-120) | 104 | 107 | 109 | 109 | 106 | 107 |
麻酔下で腹腔内に透析用のチューブを挿入しています。 | 透析用チューブが入ったところです。チューブは2本入れてあります。 |
輸血療法
近年、動物医療の進歩に伴い、ヒト医療と同様に輸血が必要な状況に度々遭遇します。輸血は、助かる可能性のある小さな命を救うためになくてはならないものです。当院では、大きな手術や重症患者の治療に輸血を実施しています。安全な輸血療法を実施するためには、受血動物に適合する血液を準備しなければなりません。
当院では受血動物と供血動物の血液の交差適合試験を行い、安全に輸血が行えるように努めております。
(当院では常に血液をストックしている訳ではありません。輸血が必要と判断された際にボランティアのワンちゃんから血液をその都度いただいています)
当院では、小さな命をつなぐため、大型犬の供血ボランティアを募集しています。ご興味のある方はご連絡ください。
献血ボランティア犬からの採血 | 交差適合試験 | 輸血中 |
当院で可能な検査
消化器
| 呼吸器
| 心臓・循環器
| 泌尿器
|
生殖器
| 造血器
| 肝・胆・膵系
| 内分泌
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耳鼻科疾患
| 腫瘍
| 整形外科
| 寄生虫感染
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皮膚検査
| 感染症
| 眼科
| 神経
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ターミナルケア
動物達の寿命は我々ヒトと比べて短く、悲しいことですがいつか旅立ちを見送らなければならない日がきます。その日を迎えるにあたって、苦しむことなく楽に送り出してあげれればと誰しもが思います。しかし、病気の種類によっては耐え難い苦痛を伴うものもあります。そうした“終末期”に、ご家族はなにをしてあげればいいのだろうと悩まれることと思います。私たちは、そうした苦痛を少しでも緩和しながら、できるだけ生活の質(QOL)を保ちご家族のもとで最期を迎えられるようにお手伝いさせていただきます。
ターミナルケアは主にご自宅で獣医師の指示のもと、鎮痛治療を行うと共に、寝たきりの子に関しては体位変換を行い、床ずれの防止しや、排便や排尿などのお世話をして頂きます。また、ご飯が食べれない子に関しては、定期的に点滴治療を行い、精神的・肉体的苦痛の除去に努めます。
*ターミナルケアは当院で治療されてきた患者様のみとさせていただきます。他院で治療され、ターミナルケアのみ当院ご希望の場合は治療経過などが不明なためお断りさせていただいております。